航空業界のネットゼロへの挑戦
- ハリネズミのハリィ
- 3月13日
- 読了時間: 4分
持続可能な未来か、それとも夢物語か?
気候変動と航空機の深い関係
みなさん、こんにちは。私はハリネズミのハリィ。
環境問題に強い関心を持つエコロジストだ。今日は気候変動を語る上で欠かせない、航空業界について考えてみよう。
気候変動の原因と聞いて何を思い浮かべますか?多くの人がまず思いつくのは、ガソリン車や石炭・天然ガスを使う発電所かもしれない。しかし、実は航空機も温室効果ガスの重要な排出源の一つだ。

世界の温室効果ガス排出量に占める航空業界の割合は約3%だが、実際には高度での排出により、その影響は約2倍にも達するといわれている。さらに航空需要は今後も増加し続け、適切な対策がなければ排出量は急増する可能性がある。
2050年に向けたネットゼロへのシナリオとその現実的な課題
私たちが分析した最新の研究(Nature Sustainability, 2022)によれば、航空業界が2050年までにネットゼロ(排出量実質ゼロ)を達成することは可能だ。そのために次のような戦略が検討されている。
1. 航空機需要の抑制
航空需要を一定程度抑制する政策を実施すれば、排出量を大幅に削減できる可能性がある。しかし、これは経済成長や観光産業への影響が大きく、政治的にも難しい課題だ。
2. 航空機のエネルギー効率改善
現在開発中の新型航空機、例えばデルタ航空とJetZeroが開発中の「ブレンデッドウィングボディ(BWB)設計機」は、従来の航空機と比較して燃料効率が最大50%向上すると期待されている。これにより、排出量を大きく削減することが可能になる。
3. 持続可能な航空燃料(SAF)への転換
化石燃料からSAFへの移行も進められているが、生産コストや供給量に課題がある。カリフォルニア州は2035年までに航空燃料の約40%をSAFでまかなうことを目標としているが、政策的支援や技術革新が不可欠だ。
4. 水素や電動飛行機など新技術の導入
ZeroAvia社などは水素を燃料とした航空機を実現しており、既に小型機では実用化の段階に入っている。将来的には、大型航空機への適用も検討されているが、技術的な課題がまだ多く残されている。
5. 大気中の二酸化炭素除去技術への投資
既存技術のみではネットゼロを達成できない可能性があるため、CO₂除去技術への投資も必要になる。しかし、この技術はまだ実験段階であり、大規模な運用には時間と資金が必要だ。

航空業界の未来は理想と現実のどこに向かうのか?
航空業界が2050年のネットゼロ目標を掲げる中で、多くの期待と同時に課題が浮き彫りになっている。技術革新や燃料転換は確かに進んでいるが、その進展が目標達成に十分であるかは慎重に検討する必要がある。
一方で、批判的な視点からは、SAFの供給不足や水素燃料航空機の技術的・経済的制約、さらには業界全体の持続可能性への関心の低下など、多くの障害が指摘されている。もしこれらの問題が解決されなければ、2050年のネットゼロは単なる夢物語に終わるかもしれない。
あなたはどちらの未来を信じるだろうか?航空業界の持続可能性は現実のものとなるのか、それとも技術と政策の限界に阻まれるのか?私たちが考え、行動することで、その未来は変わるのかもしれない。
航空業界は、気候変動対策における重要な転換点を迎えている。技術革新、燃料転換、需要管理、そして炭素除去技術への投資など、複数の手法を組み合わせることでネットゼロ達成は現実的な目標となるだろう。
しかし、これは航空業界だけの問題ではなく、私たち一人ひとりが関わる課題でもある。快適で便利な空の旅を維持しつつ、環境への影響を抑えるために、私たち自身も行動を見直す必要があるのかもしれない。
あなたなら、この難しい課題にどのように向き合いますか?
未来の空をどのように描きたいですか?
一緒に考えていこう。

参考文献・ニュースリソース
Nature Sustainability - "Pathways to Net Zero Emissions from Aviation"
Reuters - "Global airlines could miss sustainable fuel targets, IATA's Walsh says"
Financial Times - "Europe's aviation industry lowers expectations for hydrogen-powered planes"
Reuters - "Aviation meeting: ESG takes a backseat to jet shortages"
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