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🌊 サンゴ礁は、静かに消えようとしている


サンゴ礁は、静かに消えようとしている
サンゴ礁は、静かに消えようとしている

🐾 ハイダラの皮肉

「ふーん……“海の都市”ね。サンゴ礁が何千年もかけて築きあげた、美しき構造体。だが結局、そこに火をつけたのはお前たち人間じゃないのか?」

(ハイダラは薄笑いを浮かべて海を見下ろす。)

ハイダラ
ハイダラ

「温暖化?白化?酸性化?……なんと気の利いた名だろう。本質は同じさ。お前たちは、手を汚さずに滅びを進めることに長けている。」

(潮風に吹かれながら低く呟く。)

「サンゴの中にいた藻たちは、暑さで逃げ出した。残されたサンゴは白くなり、色を失って、死にゆく。まるで“静かに朽ちる都市”だな……芸術的ですらある。」




🐘 ゾウママの希望

(波打ち際で静かに耳を澄ませていたゾウママが、やさしく語り始める。)

「でもねぇ、ハイダラ……すべてが終わるなんて、誰が決めたのかしら。」

(彼女は海の向こうを見つめながら続ける。)

「サンゴと藻は、ずっと共に生きてきた。人間だって、今ようやく“守ろう”と動き出している。小さな粒で藻を守る……セリアナノ粒子っていうのよ。」

(ゾウママは微笑みながら、静かに波に鼻先を浸す。)

「すべてを変える魔法じゃないわ。でも、それが“希望”の始まりになるかもしれない。」

🦝 タックの不安

(タックは、小さくうずくまりながら口を開く。)

「でも……それって、本当に間に合うのかな?僕たち、もう“待ったなし”のところまで来てるんじゃ……」

(彼はぎゅっとしっぽを抱え込みながら、海を見つめる。)

「何をすればいいのか、どうすれば守れるのか……小さな僕には、もう手遅れなんじゃないかって思える。」

🐾 再びハイダラ ―― “絶望の使者”の影

(再び霧の奥から、ハイダラの声がゆっくりと届く。)

「手遅れ?……フフ、いい言葉だな。その“甘さ”が、お前たちを安心させるのさ。」

(ハイダラの姿が再び現れ、その目はどこか乾いた光を放っている。)

「希望?努力?対策?何度も聞いたさ。……だが、崩れ落ちる都市に“言葉”は届かない。」

(彼はタックの肩を軽く見下ろしながら囁く。)

「まあ、せいぜい祈ることだな。都市がすべて沈むその日まで――どこまで“もがける”かをな。」

(ハイダラはくるりと背を向け、霧の中へと消えていく。その背中が沈む海の方角に向かっていたことに、誰も気づかなかった。)


🧪 科学が挑む:白化する“海の都市”を守る方法とは?

ハイダラの問いかけが響いたあと、私たちが向き合うのは「科学がいまできること」。サンゴとそのパートナーである藻類(褐虫藻)を守るため、ある研究チームが“極小の粒子”に未来を託しました。


私たちが向き合うのは「科学がいまできること」

🌿 サンゴ礁と褐虫藻:生きた都市の共生関係

サンゴは、体内に住む褐虫藻(かっちゅうそう)という小さな藻と共生しています。褐虫藻は光合成によって栄養を作り出し、サンゴに供給。その代わりにサンゴは、藻に住処と二酸化炭素を提供します。

この共生があるからこそ、サンゴ礁は成長し、色鮮やかな“海の都市”となるのです。

🔥 気候変動が壊す関係:白化現象(coral bleaching)

ところが、気候変動により海水温が上昇すると、褐虫藻はストレスを受けて“活性酸素(Reactive Oxygen Species: ROS)”を大量に発生させます。

この活性酸素は、サンゴにとって“毒”。サンゴは自らを守るため、藻を追い出してしまいます。

これが「白化現象」です。白くなったサンゴは栄養を得られなくなり、やがて死んでしまいます。

🧬 そこで登場:セリアナノ粒子(Ceria Nanoparticles)とは?

✔ セリアナノ粒子とは

  • 酸化セリウム(CeO₂)でできた、直径約4ナノメートルの非常に小さな粒子。

  • 強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素を中和する能力があります。

✔ なぜ藻に使うのか?

褐虫藻は非常に小さく、薬剤を吸収させるのが難しい。しかし、ナノ粒子なら吸収が可能。そこで研究チームは、セリアナノ粒子を“藻のための薬”として応用しようと考えました。

🧪 実験のしくみ:白化を防げるか?

📋 実験内容(Roger et al., 2022)

実験対象

内容

藻類

Breviolum minutum(共生褐虫藻)

モデル

イソギンチャク(サンゴの近縁種)

温度条件

常温(27℃)と高温(34℃)で比較

処理内容

セリアナノ粒子を藻に吸収させ、活性酸素の量を比較

評価指標

活性酸素量(ROS)、成長率、宿主との共生性

✅ 実験結果:効果はあったのか?

30分で藻がナノ粒子を吸収

3週間にわたり藻の成長に影響なし(安全性〇)

高温下でもROS(活性酸素)の量が大幅に減少

藻がイソギンチャクの体内でも生き残り、共生を維持

📊 高温(34℃)環境でも白化リスクが低下。つまり、“熱ストレスに強い藻”を人工的に作る手段になりうるということです。

🧭 研究の意義とこれから

🌟 なぜこの研究が重要なのか?

  • サンゴ礁の死滅を「予防」する唯一のアプローチ

  • サンゴを「救う」のではなく、共生相手を守るという視点の転換

  • 地球温暖化に“適応する”ための生態工学的な戦略

🔬 今後の課題

課題

内容

現地適用

実際のサンゴにナノ粒子を届ける方法

長期効果

1回の処理でどのくらい効果が続くのか

生態影響

ナノ粒子が他の生物や環境に与える影響の検証

コスト

商業スケールでの応用に向けた製造と実装技術

📚 参考文献・出典


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