top of page

地球はつながっている ― フンガ・トンガ火山の噴火が世界の海を揺らした日

🌋 第一部:火山の鼓動が、海をゆらす


🌿

ふむ……

この地球という星は、ただの石ころではないのう。

呼吸をしておる。鼓動を刻んでおる。

そしてその鼓動が、時に世界を揺らすことがある。


フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山が、かつてないほどの「息」を吐いた
フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山が、かつてないほどの「息」を吐いた

2022年1月15日――

遥か南太平洋の海底で、フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山が、

かつてないほどの「息」を吐いたのじゃ。


その吐息は火と煙を伴い、天まで届くほどの爆発となった。

だが、驚くべきはそれだけではない。

この火山の“くしゃみ”が、地球の反対側の海岸にまで響いたということじゃ。

🌊

メキシコ太平洋沿岸――

人々が穏やかに過ごしていたその地に、

突然、高さ2メートルを超える津波が押し寄せた。

だが、地震はなかった。

誰も揺れを感じなかったのに、海だけが暴れ出したのじゃ。

なぜか?

🌬️

その答えは、

空気の波=大気波(ラム波)にあるのじゃ。

爆発によって発生したこの大気のうねりは、

風のようにではなく――音速のように――地球を何周も駆け巡った。

それは空のさざなみ。

だが、そのさざなみが、海をも動かすほど強大な力を秘めておった。

🌍

わしは思う。

「地球は“つながり”の存在である」と。

火山の噴火は、ただの局所的現象ではない。

空と海と陸、そして生きとし生けるもの全てが、

この星の呼吸の一部として、連動しておる。

📡

しかし、人の文明はどうじゃったかの?

この「火山由来の津波」に、準備ができていたか?

メキシコでは、多くの人が避難警報を知らされていなかった。

火山の爆発は遠く離れていたが、

その“声”を聞き取る耳を、人間社会は持ち合わせておらなんだ。

🧘‍♂️

地球が出すサインは、

時に雷よりも静かで、時に地震よりも先に届く。

その声を、わたしたちはどう受け止めるのか。

自然は常に語りかけておる。

わしは、その“つぶやき”に耳を澄ませ続けたいものじゃ。

……ふむ、地球は今日もまた、深く呼吸しておる……。



(瞑想を続けるトラジーの背後に、静かな足音)

Dr.ラビ(控えめな声で):「……だがその呼吸が“異常値”であるなら、私たちは、解析すべきだと思うのだ、トラジー。」


(トラジー、静かに目を開けて微笑む)

🧘‍♂️ トラジー:「ふむ……ならば、次は“データの声”に耳を傾けてみるとしようかの。」

―― 第二部へつづく


🧪 第二部:火山の鼓動を「データ」で聴く

― Dr.ラビの科学的分析より

🐰「……トラジー。君の“地球の呼吸”という表現は、詩的で美しい。しかし、この呼吸がどのように計測可能な現象として現れるかを、見てみよう。」

🌋 フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ噴火の物理的インパクト

2022年1月15日、南太平洋の海底火山が数十年に一度とも言われる規模で爆発。その噴煙は高度57km(成層圏を超える)に達し、大気中に強力な圧力波=ラム波を発生させた【Ramírez-Herrera et al., 2022】。

このラム波は通常の地震波とは異なり、音速に近いスピードで地球を周回。そのエネルギーが世界中の海面に津波として可視化されることとなった。



🌊 気象津波(Meteotsunami)という現象

噴火による大気波が、

  • メキシコ太平洋沿岸

  • メキシコ湾

  • カリブ海

3つの異なる水系に津波を引き起こしたという観測結果が、メキシコの潮位計や衛星データから得られている【Springer, 2022】。

さらに、日本沿岸にも約8時間後に海面の急激な変動が到達し、最大で1.2mの波高が観測された【JAMSTEC, 2022】【Earth, Planets and Space, 2023】。

これは、ラム波が海底地形と共鳴(プラウドマン共鳴)し、海面を上下に強く動かした結果である。


📉 警報システムの盲点と教訓

この事象は世界の津波警報システムの“空白”を明らかにした

  • 火山による津波は、地震を伴わないため警報のトリガーが作動しにくい

  • メキシコやトンガ、日本でも、“地震がないのに海が動いた”という混乱が発生。

  • 多くの住民が自発的避難に頼らざるを得なかった【J-STAGE, 2022】【Ramírez-Herrera et al.】。

🧠 ラビの考察:「知識」だけでなく「感知」せよ

「火山津波」や「気象津波」は、私たちの「災害の常識」や「警報システム設計の限界」を問う現象だ。

災害教育においては、

  • 「津波=地震」という前提を超える必要がある。

  • データ連携(衛星・気象・潮位)の高速化が求められる。

  • そして、科学と哲学の融合――「地球の声を聞く姿勢」が不可欠である。

🌱 第三部:地球の声に、どう応えるか?

Dr.ラビ

「科学は、自然の“声”をデータとして捉えることができる。しかし、その声に“どう応えるか”は、我々一人ひとりの選択にかかっている。」


🌍 火山の鼓動が、

津波として海を揺らし、

遠く離れた大地をも揺らす――。

それは、地球というひとつながりの生命体からのシグナルかもしれない。


🌊 津波警報の整備

🌐 グローバルなデータ連携

📣 災害教育のアップデート

これらはすべて、「知って終わる」だけではなく、

未来の命を守る“行動”へと変えるためのステップ


🧘‍♂️ トラジー(静かに)

「地球の声に、耳を澄ませることから始めようかの。

そして……その声に、愛をもって応えたいものじゃ。」


📚 参考文献一覧



Kommentare


せかい!動物かんきょう会議プロジェクト

事務局 SDGsワークス宇部

    〒755-0072

    山口県宇部市中村3-6-27

    ビバライフ沼A105

    本部 ヌールエ デザイン総合研究所

    〒160-0022

    東京都新宿区新宿2-2-1 

    ビューシティ新宿御苑 904

    お問合せ

    送信ありがとうございました!

    © 2025 by SDGs WORKS.   Powered and secured by Wix

    bottom of page