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生き物が選ぶ場所を守れ:ワニールが語る“本当に質の高い生息地”とは

「ワニールの怒り」が見つめた、生息地評価の落とし穴

やあ、僕はワニール。

ワニール
ワニール

かつては大地に根を下ろして暮らしていた農夫だけど、森も畑も、気づけば土が痩せて、鳥の声も減った。都会に出稼ぎに来た今でも、自然のことが頭から離れないんだ。今日は、僕が出会ったとある研究を通して、「生息地の質」って何だろう?っていう大切な問いを、みんなと一緒に考えてみたい。




キイロハシモズツツキ
キイロハシモズツツキ

「そこ、ほんとに良い場所なのかい?」

昔、森の中を歩いていた時のことさ。巣作りをしていたキイロハシモズツツキが、ヒナを育てていた。研究者たちは、彼らが巣を作った木と、使われなかった木を比べて、「こっちが良い生息地だ」と評価していたんだけど…僕は思った。

「それって、うまく育てられなかったペアが選んだ場所も、“良い”ことになっちゃうんじゃないか?」

実はこのやり方、森のベテランたちの“ほんとうに選んだ場所”の価値を見落としていたんだ。経験もない若いつがいが、たまたま巣を作った場所。それが「良い場所」として記録され、失敗しても評価されてしまう。そんな不公平、あるかい?


“経験ある命”が語る、森の中の答え

ある研究では、早く繁殖を始める“ベテランつがい”と、遅れて始める“新人つがい”が、どんな場所を選ぶかを比べた。すると、ベテランたちは:

  • 腐りすぎていないヤスナラ(アスペン)

  • 周囲にヤマハンノキが豊富にある場所

  • 北向きに入口を作れる木

そんな条件の揃った「とびきりの場所」で巣を作っていた。

そして驚くことに、彼らは平均4羽以上のヒナを無事に育てていたんだって!

でも、新人たちは条件を見極められず、成功率も低い。従来の評価方法だと、その両方が「同じ良い場所」扱いになってしまうんだ。

ワニールの叫び

「僕たちは、命の知恵を無視してたんだ!」

自然の中で長く生きてきた者たちの選択には、意味がある。それを無視して、「構造だけ」「見た目だけ」で判断していたなんて――僕は、本当に、悔しかった。


経験の声を科学でつなぐ、未来の保全

前の章で「経験豊かな鳥たちの選ぶ場所」こそが、ほんとうの意味での“質の高い生息地”だという話をしたよね。ここからは、その経験の声を科学でどう活かしていけるか――まさに未来の保全の話を、僕の視点で語っていくよ。

生息地はどんどん壊されている

いま世界では、森林伐採や農地の拡大、都市開発、気候変動といった人間の活動が、鳥たちや動物たちの暮らす場所をどんどん奪っている。

  • 森は分断され、

  • 湿地は埋め立てられ、

  • 気候は読めないほど変わり始めた。

「どこが安全で、どこが豊かなのか――それさえ、分からなくなっているんだ。」

だからこそ、いま求められているのは、本当に価値のある生息地を正確に見極め、守ること。ただの緑の多さや木の高さじゃなくて、「命がちゃんと育まれる場所」かどうかを見極めることなんだ。

“本当に良い場所”は、ベテランの鳥が知っている

ここで出てくるのが、**キイロハシモズツツキ(Yellow-bellied Sapsucker)**の研究。この鳥たちは、北米の森で木に穴をあけて樹液をなめる、小さなキツツキだ。

研究チームは、

  • 早く巣作りを始める「早期繁殖ペア」

  • 遅れて巣作りを始める「遅咲きペア」

が、それぞれどんな木を選ぶかを比べてみたんだ。

するとどうだろう――🐤 早期ペアは、

  • 適度に枯れかけたアスペン(ヤスナラ)の木

  • 周囲にヤマハンノキが豊富

  • 北向きの巣穴など、驚くほど“的確な場所”を選んでいた。

そして彼らは、平均して4.41羽のヒナを育て上げたんだ。

一方で、🐣 遅咲きのペアは、そうした選び方ができず、繁殖の成功率も低かった。にもかかわらず、従来の評価方法では、両方の場所が「同じような良い生息地」とされてしまう。

「経験があるかどうかで、結果はぜんぜん違うのに…。」

この差を正しく読み取ることができたとき、初めて、“本当に守るべき場所”が見えてきたんだ。

生息地保全の新しい考え方

この研究は、保全の世界にとって大きな転換点だった。

✔️ これまで:「使われた場所」を一括で比較

✔️ これから:経験豊かな個体の選好に注目して評価する

このアプローチなら、

  • 森林保全の優先順位をもっと正確に決められるし、

  • 貴重な資源や予算を、ほんとうに価値のある場所に集中できる。

「選ばれた場所」じゃなくて、「選んだ者の“目”を信じる」。

それが、これからの保全の合言葉になると、僕は信じてるよ。

結びに

僕ワニールは、森の声に耳を澄ます。それは、ベテランの鳥たちの静かな行動であり、森の経験であり、未来を育む知恵だ。“本当に価値のある生息地”は、数値や見た目だけじゃ測れない。

「経験が選んだ場所」――そこにこそ、守るべき命の未来があるんだ。

次の章では、この“経験の目”をどうテクノロジーで補い、広げていけるか。リモートセンシングや地元の知恵と一緒に、未来を描いてみよう!


リモートセンシングや地元の知恵と一緒に、未来を描いてみよう!
リモートセンシングや地元の知恵と一緒に、未来を描いてみよう!


📚 参考文献(References)

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